
「留学生採用の次は海外から優秀な人材を直接採用」フクナガエンジニアリングの外国人材採用
地球にやさしい環境ビジネスのたえまない追求を行なう、フクナガエンジニアリング。中小企業ながら積極的な外国人材採用を行いグローバルに展開しています。その実像をおうかがいしました。
聞き手:編集部
話し手:株式会社フクナガエンジニアリング 代表取締役社長 福永政弘様
ロシア出身の留学生からはじまった外国人材採用
―― 外国人材採用をスタートした経緯を教えてください
日本人の採用が難しくなってきた際に、日本国内の留学生の採用からスタートしました。知り合い経由で大学にいる留学生の採用イベントなどに参加させていただき、大阪大学出身のロシア出身の留学生を採用したのがきっかけです。
それからは国内の留学生採用を積極的に行なっており、日本人採用よりも留学生採用が主流となりました。しかしながら、国内留学生のトップ人材の採用も競争が激しくなってきた為、海外拠点を設置し、海外から優秀な人材を直接採用できる流れを作っています。現在は、ベトナム、中国、スイス、エチオピアなどの社員が在籍しています。
――外国人材を採用してから社内に変化はありましたか
最初に採用した大阪大学卒のロシア出身の社員に関しては、電話対応の業務からお願いしました。留学生でしたが、日本語理解の面でかなり苦労をしていました。また周りの社員からも反発がありました。
しかし、努力の甲斐があってお客様から彼女指名での注文が増えたことにより、最終的にチームも良い雰囲気になりました。おそらく日本語がわからない中で、一生懸命対応している姿を見て、お客様も周りの社員も次第に気持ちが変わっていったのだと思います。
当社は長年にわたり、海外市場を見据えた挑戦を独自に行なっております。大手から「海外進出を一緒にしないか」などお誘いいただく機会もなかったですし、自分自身海外での可能性を模索していました。現在ベトナムに進出していますが、そこでは現地の優秀な人財を登用し、現地のマネジメントを任せる体制を構築しています。

外国人材はすぐ辞めるは本当か
――外国人材の定着について不安はなかったのでしょうか
定着に関しては日本人も同様に辞めていくケースが多くありました。外国人だから定着しないという考え方ではなく、外国人も個人それぞれなので国籍ではなく、本人の本質そのものでみないといけません。
ただ、日本人よりも定着のマネジメントはやりやすいと考えています。例えば、給与だけではなく、彼らにやりがいや、日本文化の良さを伝えることで長期的に働いていただける関係性の構築ができます。
今後、日本でも外国人材の採用を行い続けますが、実は、日本語を話せない方の採用を積極的に行っております。採用後、どのように社内融和していくかは当社のチャレンジでもあります。そのようなチャレンジをし続けることで、採用の新しいやり方や社内でも新しい機会を創っていけると確信しております。
――これから外国人材の採用を検討する企業へ一言お願いします
会社は社会的な意義をもって事業を営みます。海外の人財雇用は、社会的意義であり、優秀な人財の採用手段です。将来的な海外展開の道筋を見出し、社内融和や刺激を与える人財です。海外の方を雇用することに取り組む価値は十分にあります。
ただ、外国人社員を入れたからといって海外展開が進むわけではありません。外国人採用の目的さえ間違えなければ、きっと道は開けると思います。また、採用や定着に関しては試行錯誤です。やり方次第では会社を飛躍させる有力な方法だと思っています。
大手企業にはいろいろな選択肢やリソースがありますが、中小企業は工夫をしていかなければなりません。優秀な人財をいかに確保していけるか、グローバルな戦いに勝てる素地がまだあることを考えれば、(外国人材の採用は)今からでも遅くない選択肢だと思います。
株式会社フクナガエンジニアリングについて


フクナガエンジニアリングは、地球にやさしい環境ビジネスのたえまない追求を行う企業。金属資源リサイクル事業で創業し、フレコンバッグや産業車両用ノーパンクタイヤの企画・輸入販売事業で成長してきた。また、主力製品の提案にとどまらず、顧客の現場で商品開発にも取り組み、課題を複合的に解決する。2014年からはベトナム・ハノイに100%出資で現地法人を設立し、現地日系企業の金属スクラップのリサイクル等でグローバル進出を果たす。従来から海外取引に興味を持ち、海外進出前から外国人留学生を積極的に採用している。
会社名:株式会社フクナガエンジニアリング
所在地:大阪府
代表者:代表取締役社長 福永政弘
URL:https://www.ecosoft.co.jp/
人気記事