ものづくりの経営

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「逆境は常にあり」チャレンジャーである自分を支えてくれたもの

進化を続ける平野ビニール工業株式会社
常に逆境に立ち向かってきた平野社長が、その過程で思い描いてきた「経営」とは

聞き手:編集部
話し手:平野ビニール工業株式会社 代表取締役社長 平野利直様

20代で社長就任。誰もあなたのことを社長と思っていません

―― 20代で社長にご就任されてから、経営についてはどのように学ばれたのでしょうか?また、困難をどのように打破されてきましたか?

社長に就任した時、僕についてくれた先生がとにかく厳しかったんです。まず、「誰もあなたのことを社長だなんて思っていません。社長の肩書に胡坐をかかず、しっかり勉強して、社長に器にならなければいけません。」と言われました。そして、僕からの相談を聞いてはくれるのですが、最後には大体「あなたが悪い」の繰り返しでした。さらに、「経営者は自責で物事を考えないといけない。そして、因果を考えなさい。今起こっている現象は、過去のあなたの振る舞いや会社の成績によってもたらされたのだから、真摯に受け止めなさい。」とも言われ続けました。その方のおかげで、僕は道を外さなかったのだと思います。何度逃げようと思ったことか(笑)

また、稲盛和夫さんの塾に通い、本を読み、そこで学んだことを貫いていこうという気持ちになりました。だから、当社の理念やDNAには、稲盛さんの考え方や言葉が入っています。

経営とは、目先の損得や自分のプライドにこだわっていると、正しい判断ができなくなります。『経営の軸はこうあるべきだ』という考えを得るまでに多くのことを勉強したことが、僕の糧となりました。経営は感情で行うのではなく、原理原則、あるべき姿、正しいか否か、そういった判断基準を持てるようになってから、会社もまとまるようになってきました。例えば、「社長の言葉がよく変わる」としても、時代の変化に合わせて変えているのか、ただの思いつきで変えているのか、社員はよく見ているんですよね。

他には、家族をないがしろにしないことを大切にしてきました。結局最終的には、家族が自分と一緒になって悩んでくれたり、泣いてくれたり、支えてくれるんですよね。その家族を大切にすることが大事なのだと思います。

逆境は常にあり、真摯に、誠実に乗り越えていく

―――それでは、事業拡大のために気を付けていることはありますか?

社長に就任した17年前は従業員約40人程度であったのが、今や3倍以上になっています。これまで何をしてきたかと言うと、常に困難に立ち向かっていました。逆境は常にあり、真摯に、誠実に乗り越えていく、そして、学びながら進化し続けることが大事だと思います。とにかく他社に先駆けて新しいことをするチャレンジャーでした。追い詰められることは多々ありましたが、その度に何ができるかを逃げずに考え続けました。その時、もし逃げ出していたら、今の自分はなかったと思います。

ひとつ、経営者が注意しないといけないのは、常に最善と最悪を想定することです。順風満帆ばかりではない世の中で、とにかく社員だけは路頭に迷わせないこと。それを、必ず念頭に置いておくべきです。経営者として無責任なことは絶対にしない、と常に心掛けることが大切だと思います。

平野ビニール工業株式会社について

平野ビニール工業株式会社は、繊維製品、帆布製品、車両用シート表皮の裁断縫製メーカーとして、ものづくりの頂点を目指し、日々の研鑽と堅実な成長を重ねております。
日頃からお客様に喜んで頂ける仕事を第一優先とし、思いやりの心、誠実で素直な心を忘れずに、顧客満足を追求しています。

会社名:平野ビニール工業株式会社
所在地:静岡県
代表者:代表取締役社長 平野利直
URL:https://hiravi.co.jp

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